塗装後の保証とアフターで泣くお客様を減らしたい話

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年6月3日
外壁塗装って、塗り終わった日がゴールだと思われがちなんですよね。でも私は前職で十年、本当のトラブルはその後にやってくる、という場面を何度も見てきました。今日は、契約のときには見えにくい「保証とアフター」のお話を、お伝えしたいと思っています。

「塗ったあと」に泣くお客様が、思いのほか多いんです

外壁塗装の相談って、ほとんどが「どこに頼めばいいか」「いくらが妥当か」という、契約より前のお悩みなんですよね。それはそれで大事です。ただ、私が前職で本当に胸を痛めたのは、工事が終わって一年、二年と経ってからかかってくるお電話のほうでした。

「塗ったところが剥がれてきた」「頼んだ会社に電話しても繋がらない」。そういう声が、決して珍しくなかったんです。塗装は、塗った直後が一番きれいに見えます。問題が顔を出すのは、季節がひと回り、ふた回りしたあと。だからこそ、契約のときに見えにくいのだと思います。

忘れられない、長野のお客様のお話

業界に身を置いて間もない頃、長野県のあるお客様から一本のお電話をいただいたことを、今でも覚えています。塗装から二年ほど経って、北側の壁にうっすらと膨れが出てきた、と。施工した会社に連絡しても、担当者はもう辞めていて話が通じない、というご相談でした。

保証書はお持ちでした。けれど、よくよく読むと「自然災害・経年は対象外」と書かれていて、その膨れがどちらにあたるのか、誰がどう判断するのかが、どこにも書かれていなかったんです。紙はある。でも、いざという時に機能しない保証だった。電話口でその方がぽつりと、「結局、また別の業者を探さないといけないんですね」とおっしゃったのが、ずっと耳に残っています。

保証という言葉は安心の響きがあります。でも中身が伴っていないと、お客様にとってはかえって「守られているつもり」になってしまう。あの時、そう痛感しました。

保証書で、私が必ず見てほしいところ

難しい話ではないんです。まず、保証の対象が「何に対して・何年か」。塗膜の剥がれと色あせは別物として書かれていることが多いので、ここはご自身の目で確かめていただきたいところです。

そして、対象外の条件。先ほどの長野のお客様のように、ここが曖昧だと、いざという時に話がこじれます。「どんな場合に保証が使えないのか」が具体的に書いてあるかどうか。むしろ、ちゃんと例外を明記している会社のほうが、私は誠実だと感じています。

もう一つ、見落とされがちなのが「誰が保証してくれるのか」。メーカーの塗料保証と、工事をした会社の保証は別ものなんですよね。施工店が数年でなくなってしまえば、紙だけが残る。そういうお宅を、私は実際にいくつも見てきました。

アフター点検は「来てくれるか」より「来た時に何を見るか」

「一年点検あります」「アフター無料です」。こうした言葉、契約のときには頼もしく聞こえます。先日も、ある方から「点検には来てくれたんですけど、外をぐるっと見て写真を撮って帰っただけで…」というお話を伺いました。

点検に来てくれること自体は、もちろんありがたいことです。ただ、本当に大事なのは、その時に何を確認して、もし不具合があったらどう動いてくれるのか、という部分なんだと思います。前職でデータを見ていても、アフターの満足度が高いお客様は、業者さんが点検結果をきちんと言葉で説明してくれていた、という傾向がありました。

だから契約の前に、「点検の時って、具体的にどこを見て、何を報告してもらえるんですか」と一言聞いてみてほしいんです。その質問にすらすら答えられる会社は、たいてい、その後も誠実に向き合ってくれます。

契約の場で、保証の話を切り出す勇気を

見積もりや色の話は弾むのに、保証とアフターの話になると、なぜかお客様のほうが遠慮してしまう。そういう場面を、私は数えきれないほど見てきました。「そこまで聞いたら嫌がられるかな」と。

でも、逆なんですよね。塗ったあとまできちんと面倒を見る覚悟のある会社ほど、その質問を歓迎してくれます。十年、十五年と長くお付き合いする相手を選ぶわけですから、聞きにくいことこそ、契約の前に聞いておく。それが結局、ご自身を守ることに繋がるのだと思っています。

業界のリアル・まとめ

外壁塗装のトラブルは、塗り終わった直後ではなく、一年二年と経ってから静かにやってきます。保証書は「何年か」だけでなく「対象外の条件」と「誰が保証するのか」まで、アフター点検は「来てくれるか」より「来た時に何を見てくれるか」まで。聞きにくいことを契約前に聞ける関係こそ、長いお付き合いの土台になると私は思っています。

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