足場が上がっているうちに、と言われたお客様を見てきた私が伝えたい話

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年6月10日
「足場が上がっているうちに、屋根もいかがですか」——工事中にこう声をかけられ、その場の流れで決めてしまったというお客様から、前職の頃に何件もご相談をいただいてきました。足場は外壁塗装の見積書の中でも「なぜこんなに高いの?」と感じやすい項目のひとつです。今日は、足場代にまつわる話と、工事の途中で受ける提案への向き合い方を少しお伝えしたいと思います。

①足場代がなぜあれほど高く感じるのか

外壁塗装の見積書を初めて手にしたとき、「塗料代と同じくらい足場代がかかる」と驚かれるお客様は、今も昔も変わらないんですよね。

前職でマッチングを担当していた頃、何十枚もの見積書を見比べてきました。二階建ての一般的な住宅でも、足場工事だけで十数万から三十万円近い幅が出ることがあります。それだけ聞くと「高い」と感じるのは自然なことだと思いますし、私自身もこの業界に入りたての頃はそう思っていた時期がありました。

ただ、足場は職人が安全に高所で作業するための設備です。組み方が雑だと転倒リスクが上がり、それは施工品質にも直接影響してきます。必要な費用として割り切る、というより、足場の質が工事全体の土台になるという感覚で見ていただけると、少し見方が変わるかもしれません。「足場代が安い」という理由だけで業者を選ぶと、かえって損をすることもあるので、その点だけは頭に置いておいてほしいと思っています。

②「足場無料」という言葉には気をつけてほしい

「足場代が無料の業者」という広告を目にしたことがある方も、いらっしゃるかもしれません。

これについては、前職での経験から少し感じるところがあります。足場代が「0円」と表記された見積書を複数件確認したことがありますが、同時に塗料代や施工費が周辺の相場より割高になっているケースが、何件かありました。足場代を無料と表現しながら、実際のコストはどこかに転嫁されている——というパターンは、業界の構造上、起こりやすいことなんですよね。

業者さんも商売ですから、実費を丸々負担してサービスを提供するわけではありません。「無料」という表現が出てきたときほど、見積書全体の合計と内訳をしっかり確認していただきたいと思います。足場代だけを切り取って見るより、工事全体の総額で比較するほうが、実態に近い判断ができます。

③「足場があるうちに屋根も」という言葉と、どう向き合うか

前職で特に忘れられないお話があります。

工事が始まって数日後に、埼玉県にお住まいのあるお客様からお電話をいただきました。「足場を組んでいる業者から、今のうちに屋根も一緒に塗ってしまいましょうと言われた。断れる雰囲気がなくて、どうしたらいいか」という内容でした。お客様の声には、困惑と、何か腑に落ちないというような感情が混じっていたのを今でも覚えています。

「足場があるうちにまとめてやる」という提案自体は、必ずしも間違っているわけではありません。屋根と外壁を同時に施工すれば、足場代が一回分で済むため、トータルのコストが抑えられることがある——それは事実です。ただ問題なのは、その提案が工事開始後に初めて出てきて、しかも足場がすでに上がっている状態で「今がチャンス」と迫られるケースなんです。そういう状況では、お客様が冷静に検討する時間をつくりにくくなってしまいます。屋根の状態を自分では確認できない状況のまま、追加工事を決断しなければならない——それは、やはり無理がある話だと感じるんですよね。

屋根や雨樋など足場を共有できる工事をまとめることは、計画的に進めれば良い選択になることもあります。ただ、それは見積書を確認している段階で、工事が始まる前に相談して決めるべきことだと思っています。工事中に初めて出てきた提案に対しては、一度持ち帰って考える時間をつくっていただきたい。その一呼吸が、大きな判断ミスを防いでくれることがあります。

④見積書で足場代を確認するときのポイント

最後に一点だけお伝えしたいことがあります。

足場代が見積書の中に独立した項目として記載されているかどうか、確認してみてください。「外壁塗装工事一式 ○○万円」とまとめられていると、足場にいくらかかっているのかが見えません。足場代がきちんと分かれて書かれているかどうかを見るだけで、その見積書の丁寧さが伝わることがあります。

また、足場の種類が記載されているかも一つの目安になります。くさび式足場は安定性が高く、多くの業者が採用していますが、種類についての記載が何もない場合は「どのような足場を組まれますか?」と一声かけてみるのもいいと思います。その問いへの答え方に、業者の仕事への姿勢が少し見えてくることもありますから。細かいことのようですが、こうした確認の積み重ねが、工事全体の信頼性を見極めるヒントになると感じています。

業界のリアル・まとめ

足場は外壁塗装の工事をきちんと行うための土台であり、「高い」「無料がお得」と表面だけで判断すると、後悔につながることがあります。工事が始まってから初めて出てくる追加提案には、立ち止まって考える時間を持っていただければと思います。弊社では、そうした場面でのご相談も随時お受けしています。

無料で4社の見積もりを比較

弊社は、エリア内の優良業者を最大4社まで無料でご紹介いたします。
営業電話は一切ございません。お見積もりだけ取って、ご判断いただけます。

無料見積もり比較に進む