前職で窓口に立っていた頃は、外壁塗装の支払いといえば現金か銀行振込がほとんどでした。ここ数年は決済端末を持ち込む業者や、大手のクレジット会社と提携している業者も見かけるようになっています。ポイントが貯まるからという理由で選ぶお客様もいて、時代の変化を感じます。
ただ、カード決済そのものが悪いわけではありません。むしろ一括で払える方にとっては、手元の現金を減らさずに済む便利な手段です。問題になるのは、分割を選んだときの条件を細かく確認しないまま契約してしまうケースなんですよね。
長野県のお客様から、以前こんなお電話をいただいたことがあります。外壁と屋根の塗装で150万円ほどの工事だったそうですが、担当者に勧められるまま24回の分割払いにしたところ、後日カード会社から届いた利用明細を見て金額が予想より大きく増えていることに気づいたというお話でした。
「毎月の負担が軽くなると言われたので、そちらばかり気にしていました」とお客様は話していました。分割回数を増やせば月々の支払いは軽くなりますが、その分手数料が積み重なっていくという、当たり前のようで見落としがちな仕組みです。担当者から手数料率の説明が十分でなかったことも、後悔につながった一因だったようです。
お客様の多くは、外壁塗装の見積書に書かれた工事金額だけを見て予算を組みます。そこに分割手数料が加わるという想像まではしていない方が大半です。業者側から「分割もできますよ」と案内される際に、手数料の総額まで丁寧に示してくれる会社もあれば、月々の支払額しか伝えない会社もあります。
私自身、前職で契約書を何百件と見てきましたが、分割手数料の記載が小さな文字で片隅にあるだけの書類に出会うこともありました。悪意があるとは言い切れませんが、お客様が気づきにくい書き方になっている点は否めないと感じています。
外壁塗装は工事金額そのものが大きいだけに、支払い方法の選び方次第で総額が数万円単位で変わってきます。分割を検討している場合は、手数料率と分割後の総支払額を必ず書面で出してもらうことをお勧めします。口頭での説明だけで進めてしまうと、後から「そんな話は聞いていなかった」という食い違いが起きやすくなります。
また、カード会社によっては分割手数料が業者側とお客様側どちらの負担になるかも変わってきます。業者が手数料を負担してくれる特別なキャンペーンもありますが、そうでない場合は自分の懐から出ていくお金だという意識を持っておくことが大切だと思います。