塗装から数年が経つと、多くのお客様が同じような相談を口にされます。「なんだか前より白っぽくなった気がするんです」と。でも、いつからそう感じ始めたのか、はっきり覚えている方はあまり多くありません。日々少しずつ変わっていくので、変化そのものに気づきにくいんですよね。
塗料は紫外線や雨風にさらされ続ける以上、経年で色味が変わっていくのはある程度避けられないものです。特に濃い色や鮮やかな色ほど、その変化が目立ちやすい傾向があります。ここを最初にお伝えしないまま契約してしまうと、後になって「話が違う」という気持ちにつながってしまうと感じています。
壁を指で軽くこすったときに、白い粉のようなものが指につく。これはチョーキングと呼ばれる現象で、塗膜の劣化が進んでいるサインのひとつです。前職時代、長野県のお客様から「壁を触ったら手が真っ白になったんです、これって欠陥ですか」というお電話をいただいたことがあります。
実際に伺って確認すると、施工から相応の年数が経っており、経年劣化としては想定の範囲内でした。ただ、そのお客様は施工時に「どのくらいでこうなるのか」という説明を受けていなかったそうです。だから不安になって当然だと思いましたし、こういう「知らされていなかったこと」への不安を、私は現場で何度も見てきました。
色あせそのものは経年変化として起こり得るものですが、次のような場合は業者に連絡してみてほしいと思っています。塗装から間もない時期に急激な変色が起きた場合。部分的にだけ極端に色が違って見える場合。そしてチョーキングに加えて、ひび割れや膨れなど別の症状も一緒に出ている場合です。
こうした症状は、塗料の性能不足や施工上の問題が関係している可能性があります。保証書に記載された期間内であれば、まずは施工した業者に見てもらうのが筋だと思います。写真を撮って日付を残しておくと、後々のやり取りがスムーズになる、ということも付け加えておきたいです。
先日も、別のお客様からこんな話を伺いました。色あせが気になって施工業者に電話したところ「そのくらいは普通です」の一言で終わってしまい、それ以上聞けなかったというのです。専門知識がない中で、業者にそう言い切られてしまうと、それ以上は言い返せませんよね。
業界に身を置いて長く経ちますが、こうした場面で泣き寝入りしてしまう方を減らしたいという気持ちが、弊社を立ち上げた理由のひとつでもあります。色の変化ひとつとっても、施主様が一人で判断を迫られる状況は、なるべく無くしていきたいと考えています。