火災警報器の養生外し忘れに気づいた外壁塗装のお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年9月1日
外壁塗装の工事が終わって、家がきれいになった安心感の中で、見落とされがちな小さな存在があります。それが住宅用火災警報器です。工事の間、警報器は塗料や粉じんから守るためにビニール養生で覆われていることが多いのですが、その養生を外し忘れたまま引き渡しを迎えてしまったお客様に、これまで何度かお会いしてきました。今日はその話を、少し詳しくお伝えしたいと思います。

①養生は「美観」だけのためではないという話

外壁塗装というと、どうしても壁の色や仕上がりの美しさに意識が向きがちです。ですが工事の現場では、窓やサッシ、エアコンの室外機、そして天井近くに設置された火災警報器まで、あらゆるものにビニールや養生テープが貼られます。これは塗料の飛散を防ぐと同時に、精密な機器を粉じんや塗料のミストから守るためでもあるんですよね。

火災警報器はセンサー部分がとても繊細で、わずかな塗料の粒子や高圧洗浄で舞い上がったホコリが入り込むだけで、感知の反応が鈍くなることがあります。だからこそ工事の間はしっかり覆っておく必要があるのですが、問題はその養生を工事の最後にきちんと外すかどうかなんです。

②前職で出会った、警報器が鳴らなかったお客様の話

前職で外壁塗装の窓口を担当していた頃、あるお客様から「台所で少し焦げ臭い匂いがしたのに、警報器が全く鳴らなかった」というご相談をいただいたことがあります。伺ってみると、リビングと台所、両方の警報器にビニール養生が貼られたままだったんです。工事が終わってからもう半年近く経っていました。

幸い大きな火事には至らず、鍋を焦がした程度で済んだのですが、お客様は「もし本当に火が出ていたらと思うとぞっとします」とおっしゃっていて、その言葉を今でも覚えています。業者側に悪意があったわけではなく、単純に「養生を全部剥がす」という最後の一手間が、確認リストから抜け落ちていただけなんですよね。

③引き渡し前のチェックリストに「警報器」があるか

弊社で加盟店さんにお願いしているのは、足場を解体したあとの最終確認の際に、警報器・センサーライト・インターホンといった小さな設備を一つずつ指差し確認してもらうことです。特に警報器は天井に近く、脚立を使わないと目視しづらい場所にあることが多いので、見落とされやすいんです。

お客様の側からも、工事完了後には一度、各部屋の警報器を見上げてみてほしいなと思います。ビニールが残っていないか、テープの跡だけが残っていないか。数十秒あれば確認できることなので、これはぜひ習慣にしていただきたい話です。

④警報器だけじゃない、小さな設備たちとの付き合い方

火災警報器のほかにも、ガス警報器や網戸のセンサー、宅配ボックスの受信部など、工事中に一時的に覆われる小さな設備はいくつもあります。派手な話ではないので見積書にも大きく書かれることはなく、業者との会話でも後回しになりがちなんですが、暮らしの安全に直結する部分でもあります。

「工事が終わったら、養生を外したものと外していないものを一覧で教えてください」と一言業者に確認しておくだけでも、こうした見落としはかなり防げると思っています。きれいな外壁と同じくらい、見えない場所の安全も大切にしてほしいというのが、私の願いです。

業界のリアル・まとめ

外壁塗装の工事は、壁の色や仕上がりだけでなく、工事中に覆われた小さな設備たちにも気を配ってほしいと思っています。火災警報器の養生外し忘れは、決して珍しい話ではありません。引き渡しのときに、ぜひ一度天井を見上げてみてください。

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