防火地域・準防火地域にお住まいのお客様に知ってほしい外壁塗装の認定材料の話

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年8月14日
外壁塗装のご相談を受けていると、「うちは防火地域だから、と言われたことがあるけれど意味がよく分からなくて」というお客様に時々お会いします。塗料や外壁材にも建築基準法に基づいた制約があることを、契約の最後まで知らされないまま工事が終わってしまうケースを、私は前職から数多く見てきました。今日はその「認定材料」という、あまり語られない話をお伝えしたいと思います。

防火地域・準防火地域という言葉、実はよく分からないまま工事をしているお客様が多い

「うちは防火地域だから」と役所や業者から言われた経験があるのに、それが外壁の塗り替えにどう関係するのか、実はよく分からないまま契約してしまうお客様に、これまで何度もお会いしてきました。防火地域や準防火地域は、火災が燃え広がるのを防ぐために建築基準法で定められた区域で、都市部の駅前や住宅密集地に指定されていることが多いんですよね。

外壁や軒裏といった部分には、この区域内では一定の耐火性能を満たした材料を使うことが求められる場合があります。新築時にはハウスメーカーや工務店がきちんと対応しているのですが、外壁塗装のような「塗り替え」の工事になると、この確認が意外と抜け落ちてしまうことがあるんです。

埼玉県のお客様が、家を売却するときになって気づいた話

忘れられないお話があるんです。埼玉県にお住まいのお客様が、数年前に外壁塗装を終えた家を売却しようとした際、不動産会社から「使用した塗料の認定書はありますか」と聞かれ、初めて自分の家が準防火地域にあることを知ったという出来事がありました。

工事をした業者に問い合わせても、担当者はすでに退職していて、認定番号の分かる書類は見つからなかったそうです。結局、買主側の金融機関の審査で確認に時間がかかり、引き渡しのスケジュールがずれ込んでしまったとお電話でうかがいました。工事自体に手抜きがあったわけではないのですが、書類が残っていないというだけで、こんなにも話がこじれるものかと私自身も驚いた出来事でした。

悪意がなくても起きてしまう、確認の抜け漏れ

誤解のないようにお伝えしたいのですが、こうしたケースの多くは業者が意図的に手を抜いているわけではないんですよね。塗り替えは新築工事に比べて建築確認の対象になりにくく、防火地域かどうかの確認が契約の必須項目として定着していない会社も、まだ一定数あるという印象です。

業界に身を置いて20年になりますが、塗料メーカーのカタログには認定番号がきちんと記載されているものがほとんどです。それでも、営業担当者が色やグレードの説明に時間を割く一方で、認定番号の話まで踏み込んで説明してくれる会社は、そう多くはないというのが実感なんです。

契約前に確認しておきたい、ふたつのこと

ご自宅が防火地域や準防火地域に該当するかどうかは、お住まいの市区町村の都市計画課に問い合わせれば教えてもらえます。該当する場合は、見積もりの段階で「使用する塗料の認定番号」を確認し、工事完了後は認定書や施工報告書を保証書と一緒に保管しておくことをお勧めしています。

先日も、長野県のお客様から「増築を考えているのだけれど、前回の塗装の書類が見当たらない」というご相談をいただきました。売却や増築、建て替えといった将来の予定がなくても、こうした書類は家の履歴として残しておいて損はないものだと思います。

業界のリアル・まとめ

防火地域・準防火地域における外壁材の規制は、工事の最中には意識しにくいテーマです。ただ、売却や増築といった将来のタイミングで思わぬかたちで顔を出すことがあります。契約前にひとこと確認しておくだけで防げる話ですので、ぜひ知っておいていただきたいと思っています。

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