壁の中の「通気工法」を知らずに塗装され、結露に悩んだお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年9月21日
外壁塗装というと、表面をきれいに塗り直す工事だと思われがちです。ですが実は、壁の中の「呼吸」まで気を配れるかどうかで、その後の家の寿命が大きく変わってくることがあります。今日は、あまり知られていない壁の中の話をお伝えしたいと思います。

①壁の中がびしょ濡れだった、というご相談

新潟県のあるお客様から、外壁塗装をしてから2年ほど経った頃にお電話をいただいたことがあります。「壁の中からポタポタ音がする」とおっしゃるんです。最初は雨漏りかと思ったのですが、調べてみると外からの雨水ではなく、壁の内側で結露した水が溜まっていました。

築十数年の木造住宅で、もともとは通気工法で建てられたお宅でした。それが、以前の外壁塗装の際に通気の入口をふさぐ処理をされていて、湿気の逃げ場がなくなっていたんです。断熱材が水を吸って重くなり、下地の木部も傷み始めていました。あのときの、お客様の困った声を今でも覚えています。

②「通気工法」とは何なのか

最近の住宅の多くは、外壁材と防水シートの間に数センチほどの空気の通り道を作る「通気工法」という作り方になっています。土台付近の換気口から入った空気が、壁の中を通って軒天や棟の換気口から抜けていく仕組みです。

この空気の通り道があることで、壁の中に溜まった湿気を外に逃がすことができます。逆にこの通り道がふさがれてしまうと、壁の中の湿気が行き場を失い、結露という形で表れてしまうんですよね。見た目には何も変わらないので、住んでいるご本人も気づきにくいところが厄介なところです。

③現場で見てきた「塗り込めてしまう」ケース

私が業界に身を置いてきた中で、意外と多いなと感じるのが、水切り部分や土台の換気口まわりをシーリング材でびっしり埋めてしまうケースです。防水を意識するあまり、本来空気を通すべき隙間まで塞いでしまうんです。丁寧な仕事のつもりが、逆効果になっていることに、施工した側も気づいていないことがあります。

先日も、別のお客様から見せていただいた過去の施工写真を拝見して、換気口の一部が完全に塗料で覆われているのを見つけたことがありました。おそらく養生を外す際に見落としたのだと思います。悪気があったわけではないのでしょうが、結果として壁の中に影響が出てしまうこともあるんです。

④施主として確認しておきたいこと

ご自宅が通気工法かどうかは、新築時の図面や住宅性能評価書に記載されていることが多いです。もし分からない場合は、ハウスメーカーや工務店に問い合わせれば教えてもらえます。外壁塗装を依頼する際には、この点を業者に一言伝えておくと、余計な塗り込みを防げると思います。

工事が終わったあと、土台まわりの換気口や軒天の換気部材がふさがれていないか、ご自身の目で確認してみてください。それだけで、数年後の壁の状態がずいぶん変わってくるはずです。小さな確認ですが、家を長く大切にするためには欠かせないことだと思っています。

業界のリアル・まとめ

外壁塗装は見える部分の美しさだけでなく、壁の中の空気の通り道まで含めて考える工事だと私は思っています。通気口や水切りまわりの扱いを一言確認するだけで、防げるトラブルがあります。これからも、目に見えない部分まで気を配れる業界であってほしいと願っています。

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