外壁塗装の営業手法は、この数年でずいぶん変わりました。以前はチラシや訪問営業が中心でしたが、今はLINE公式アカウントを使って見込み客リストを作る業者が増えています。友だち追加してもらえれば、いつでもメッセージを送れるようになりますし、割引という形で背中を押せば登録のハードルはぐっと下がります。
これ自体が悪いわけではありません。連絡が取りやすくなるのはお客様にとっても便利ですし、キャンペーンで少しでも費用が抑えられるならありがたい話です。ただ、登録した後にどんな運用がされているかまで考えている方は、あまり多くないんですよね。
前職で窓口をしていた頃、長野県にお住まいの60代の女性からお電話をいただいたことがあります。近所の外壁塗装業者のチラシにあった二次元コードからLINEに登録したところ、その日のうちに担当者から「今週中にお申し込みいただければ割引が使えます」というメッセージが届いたそうです。現地調査もまだなのに、です。
断りづらくて数日返信を迷っているうちに、毎日のように似た文面のメッセージが届くようになり、怖くなってブロックしたい、でもブロックしたら失礼にあたるのではと悩んでいらっしゃいました。お電話口の声が本当に困っていて、今でも覚えています。
幸い、その方はご家族に相談してブロックし、改めて別の業者に現地調査を依頼されました。ただ、こうした「登録した以上は断りにくい」という心理を意図的に利用しているように見える運用に、何度か出会ってきました。
LINEでの案内自体を避ける必要はないと思っています。ただ、友だち追加をする前に、その業者のホームページに会社概要や建設業許可の情報がきちんと載っているかは確認しておいた方がいいと感じます。個人情報の扱いについて記載があるかどうかも、意外と見落とされがちなポイントです。
割引の適用条件も、メッセージだけで済ませず、書面やアプリの画面できちんと残る形で確認することをおすすめします。「今週中」「今月中」といった期限が強調されている場合は、一度立ち止まって、他の業者にも声をかけてみる時間を作ってほしいなと思います。
友だち追加をしたからといって、その業者にお願いする義務が生まれるわけではありません。当たり前のことなんですが、メッセージが続くうちに、なんとなく断りにくい空気を感じてしまう方が一定数いらっしゃいます。
弊社にご相談いただく施主様の中にも、複数の業者とやり取りしながら比較検討されている方が多くいらっしゃいます。一つの窓口に縛られず、気になった業者があれば都度声をかけていただいて構わないと、私はいつもお伝えしています。