近所の法事と外壁塗装の工事音が重なり、配慮のなさに傷ついたお客様の話

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年9月14日
外壁塗装は「自分の家」の工事のはずなのに、その音や気配は隣の敷地までまたいでしまいます。近隣挨拶さえ済ませれば大丈夫、と思っている業者も多いのですが、挨拶では拾いきれない「その日、その時間だけの事情」があることを、私は前職の相談窓口で何度も教えられました。今日はその中の一つのお話をお伝えしたいと思います。

①法事の日に足場の音が響いてしまった、あるお客様のお話

群馬県のあるお客様から、工事が始まって数日した頃にお電話をいただいたことがあります。「実はお隣で今日、法事があるみたいで」という、遠慮がちな一言でした。業者はすでに近隣挨拶を済ませ、工事の予定表も配っていたそうです。ただ、その挨拶の紙には「何月何日から何日まで工事をします」という日程しか書かれておらず、隣家に法事の予定があることまでは、当然ながら業者も施主様も知りようがなかったのです。

結局その日は高圧洗浄の水音と、足場を組み替える金属音が重なってしまい、隣家の方から一言だけ、静かに「今日だけは少し」と伝えられたそうです。怒られたわけではないのですが、お客様は「気づいてあげられなかった」ということにずっと引っかかっていて、私に電話をくださったのだと思います。

②業者の近隣挨拶では、行事までは拾いきれない

近隣挨拶というと、粗品を持って一軒ずつ回り、工事期間と作業時間を伝える。そこまでやれば十分、という認識の業者が実際には多いです。もちろんそれ自体は大切な工程ですし、やらない業者よりはよほど誠実だと思います。ただ、挨拶の場で「今度○日に法事があります」「◯日は法要で人が集まります」とまで自分から話してくれるご家庭は、そう多くないのではないでしょうか。

むしろ挨拶を受けた側からすると、後から個別に「実はその日は困る」と言い出すことのほうが、心理的なハードルが高いのだと思います。工事はもう決まっている、業者にも予定がある、そう考えると多少のことは我慢してしまう。そうした遠慮の積み重ねが、後になって施主様の心に「申し訳なかった」という重さとして残ってしまうのだと感じています。

③工事前にできる、もう一歩踏み込んだ配慮の伝え方

私がお客様にお伝えしているのは、近隣挨拶を業者任せにせず、できれば施主様自身も一言添えてほしいということです。「もし何かご予定がある日があれば、事前に教えてください。作業時間をずらせるかもしれません」というひと言があるだけで、隣家の方は言い出しやすくなります。

また、高圧洗浄や足場の解体・組み立てなど、特に音が大きい工程だけでも事前に日付を絞って伝えておくと、相手も心構えができます。全ての工程を毎回連絡するのは現実的ではありませんが、「今週は音が出る作業が多い週です」くらいの粒度でも、受け取る印象はかなり違うものです。

業界のリアル・まとめ

外壁塗装の工事は施主様と業者の間の契約ですが、その音や気配は近隣の暮らしにまで及びます。挨拶を済ませたかどうかではなく、相手の生活のリズムにどこまで想像力を働かせられるかが、後々のご近所付き合いを左右するのだと感じています。工事の主役は施主様のお宅ですが、その周りにも日々の暮らしがあることを、少しだけ思い出していただけたらと思います。

業界のリアル・まとめ

近隣挨拶を済ませたつもりでも、行事や法事のような個別の事情までは拾いきれないことがあります。施主様自身が一言添えるだけで、ご近所との関係が大きく変わることもあると感じています。

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