足場工事の「道路使用許可」を知らなかったお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年8月15日
外壁塗装というと、色や塗料のことばかりが気になってしまう方が多いのですが、実は工事が始まる前の「足場をどう組むか」というところに、思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。前職で数多くの現場に立ち会ってきた中で、足場のために必要な「道路使用許可」を業者がきちんと取っていなかったばかりに、近隣トラブルに発展してしまったお客様を何人も見てきました。今日はその話を、お伝えしたいと思います。

足場工事の裏側にある「道路使用許可」という手続き

外壁塗装の打ち合わせをしていると、色や塗料のグレードについては熱心に質問されるお客様が多い一方で、「足場をどう組むか」まで気にされる方は、正直なところそう多くありません。でも実はここに、業者の姿勢がはっきり出る部分があるんですよね。

足場を組む際、前面道路の一部を使うことになるケースは珍しくありません。そのとき必要になるのが、警察署に届け出る「道路使用許可」です。道路の幅や交通量によっては、道路管理者への「道路占用許可」も別に必要になることがあります。こうした手続きは施主が直接関わるものではないため、存在すら知らないまま工事が進んでしまうことがほとんどなんです。

忘れられないお話があるんです

前職で担当していたお客様の中に、長野県のある住宅街にお住まいの方がいらっしゃいました。工事が始まって数日経ったころ、突然お電話をいただいたんです。「家の前にパトカーが来て、何か聞かれているみたいなんですけど」と、動揺した声でした。

現場に確認すると、足場が歩道いっぱいにはみ出すような組み方になっていて、近隣の方から「通行の邪魔になっている」と通報が入っていたんですね。業者に聞くと、道路使用許可を取らないまま作業を進めていたことが分かりました。結果として工事は一時中断し、お客様は近所の目を気にしながら数日間を過ごすことになってしまったんです。ご本人には何の落ち度もないのに、です。

許可がないとどんなことが起きるのか

道路使用許可を取らずに足場を組むと、単に法律上の問題があるというだけでなく、現場そのものが不安定になります。交通誘導員が配置されないまま歩行者や自転車が行き交うことになり、事故のリスクも高まりますし、近隣からの苦情がきっかけで工事が止まってしまえば、工期も延びます。何より施主であるお客様が「ご近所に迷惑をかけているのでは」と気を揉むことになってしまう。これが一番つらいところだと感じています。

業界に身を置いて20年近くになりますが、こうした手続きを軽視する業者に共通しているのは、見積書の中に許可申請にかかる費用や手間がきちんと書かれていない、という点です。安さだけを打ち出す業者を見るとき、私はまずそこを疑ってしまいます。事務的で地味な手続きほど、後回しにされやすいんですよね。

契約前に、これだけは確認してほしいこと

足場を組む前面道路がどのくらいの幅なのか、交通誘導員を配置する予定があるのか。難しく考えなくていいので、「道路の許可はちゃんと取ってもらえますか」とひと言聞いてみてください。きちんとした業者であれば、当然のように答えてくれるはずです。答えに詰まったり、面倒くさそうな反応をされたりしたときは、少し立ち止まって考えていただきたいなと思います。

工事が始まってからでは、こうした確認はなかなかしづらいものです。契約前の、まだお互い緊張感のあるタイミングだからこそ聞ける質問というのもあると、私は思っています。

業界のリアル・まとめ

足場工事は色や塗料と違って目に見えにくい部分ですが、道路使用許可の有無ひとつで、工事期間中の安心感は大きく変わってきます。契約前のひと言の確認が、思わぬ近隣トラブルを防ぐことにつながるのではないかと思っています。

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