「屋根に上がって見てもいいですか」と言われて迷ったお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年10月5日
外壁塗装の見積もりで業者さんが来た時、「ついでに屋根にも上がって見ていいですか」と聞かれて、返事に困った経験はないでしょうか。断るのも悪い気がするし、かといって任せきりにするのも少し怖い。そんな迷いを抱えたお客様のお話を、これまで何度も伺ってきました。今日はその時に知っておいてほしいことをお伝えしたいと思います。

①断れなかった、あの日のお話

前職で施主様からのご相談を受けていた頃、忘れられないお電話があるんです。

関東にお住まいの、ご主人を亡くされて一人暮らしをされている女性の方でした。外壁の見積もりに来た業者さんに「屋根も見ておきますね」と言われ、はしごを掛けられた。お茶を出して待っていたら、降りてきた担当者が瓦の割れた写真を見せて「このままだと雨漏りします、今日中に決めてもらえれば」と。結局その場で屋根の工事まで契約されて、あとから不安になって私どもにお電話をくださったんですよね。

その写真が本当にご自宅の屋根だったのか。上がる前から割れていたのか。今となっては確かめようがありません。お電話口で「私が上がっていいって言ったから…」と何度もおっしゃっていたのが、今も耳に残っています。

②屋根に上がること自体は、悪いことではありません

誤解してほしくないのですが、屋根に上がって点検する業者さんが怪しい、という話ではないんです。

屋根は下からでは見えない部分がほとんどです。棟の板金が浮いていないか、塗膜がどこまで傷んでいるか。真面目な業者さんほど、きちんと自分の目で確かめてから見積もりを出したいと考えます。外壁塗装と屋根を同時に塗るかどうかを判断するためにも、実際に見てもらう意味は大きいと思っています。

問題は「上がること」ではなく、上がったあとに何が起きるか、なんですよね。

③私がお客様にお願いしていること

お伝えしているのは、とてもシンプルなことです。

まず、上がる前に「撮った写真は全部見せてくださいね」と一言伝えておくこと。良い業者さんは、言われなくても家の全景から順番に撮って、どこの写真なのか分かるように見せてくれます。傷んでいる箇所だけを切り取ったアップの写真ばかり、というのは少し気をつけてほしいところです。

それから、可能であれば点検の様子を下から見ていてほしいんです。ずっと見張る必要はありません(お茶の準備もありますしね)。ただ、お客様が外にいてくれるだけで、業者さん側の緊張感はまるで違います。

そして、どんなに不具合を指摘されても、その日のうちには決めないこと。本当に急ぐべき傷みなら、業者さんは応急処置の方法も一緒に教えてくれるはずです。

④「上がらずに済ませる」業者さんも見てきました

逆のケースもあります。

以前、屋根を一度も見ずに「屋根も塗りましょう」と見積もりに載せていた業者さんがいました。お客様は塗装の必要がない屋根材だったにもかかわらず、です。後から別の業者さんが上がって確認して、ようやく分かったという話でした。

上がって見てくれる業者さんが安心で、上がらない業者さんが不安、という単純な話でもないんです。大切なのは、見た上で何を説明してくれるか。その説明がお客様にとって分かりやすいかどうか。ここに業者さんの姿勢が一番よく表れると、私は感じています。

業界のリアル・まとめ

屋根の点検は、家を守るために本来とても大切な工程です。だからこそ「写真は全部見せてもらう」「できれば下から見ている」「その日には決めない」、この三つだけ覚えておいてください。迷った時は一人で抱え込まず、誰かに相談していただけたらと思っています。

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