工事中の我が家をSNSに載せたお客様に伝えたい、写真に写り込むものの話

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年10月7日
外壁の色が少しずつ変わっていく様子は、何度見ても嬉しいものです。その気持ちのままSNSに写真を載せる方が、ここ数年でずいぶん増えました。ただ、何気なく載せた一枚から、思った以上のことが伝わってしまうことがあります。今日はそのお話をさせてください。

①「足場が立ちました!」の一枚から始まったこと

前職にいた頃、関東のあるお客様からお電話をいただきました。30代の奥様で、新しい色が楽しみで、工事の様子を毎日のようにインスタグラムに載せていたそうです。

足場が立った日、高圧洗浄の日、下塗りの日。お子さんと一緒に「今日はここまで塗れたよ」と並んで写っている写真もあったと伺いました。見ている側も温かい気持ちになる投稿だったと思います。

ところが工事も半ばの頃、フォロワーではない知らない人から「〇〇小学校の近くですよね」とメッセージが届いた。足場のシートに書かれた業者さんの社名と電話番号、背景に少しだけ写った交差点の看板。それをつなぎ合わせれば、だいたいの場所は分かってしまうんですよね。

何かあったわけではありません。それでも奥様は「家族の顔まで載せていたのに」と震える声でおっしゃっていて、あのときの声は今でも耳に残っています。

②写真には、思っているより多くのことが写っています

外壁塗装の工事中は、普段よりも家が「目立つ」時期です。

足場とメッシュシートには業者さんの名前が入っていることが多く、地域の業者さんであれば、それだけで市町村くらいまでは見当がつきます。電柱に付いている番号札、向かいのお宅の表札、ナンバープレートの見える車、窓から見える山の形。撮った本人はまず気にしないところに、手がかりはたくさんあるんです。

もう一つ気をつけていただきたいのが、時間の情報です。「今日から3日間、実家に帰ります」「職人さんが来てくれている間に買い物へ」。こういう書き込みは、家が空いている時間をそのまま知らせることになります。工事中は足場があって、上の階の窓にも近づきやすい。業界で防犯の話がよく出るのは、そういう事情もあるからです。

③職人さんの顔、ご近所の家も「誰かのもの」

これは防犯とは少し違うお話です。

作業している職人さんの姿を載せたい、という気持ちはよく分かります。「暑い中ありがとう」という感謝の投稿は、見ていて嬉しいものです。ただ、写っている職人さんの中には、顔を出してほしくない事情を抱えている方もいます。業者さんの側でも、現場の写真の扱いにルールを決めているところがあります。

お隣のお宅が大きく写り込んでいて、後からご近所で気まずくなった、という相談も何件か受けました。投稿した方に悪気はまったくないんです。だからこそ、言われた側もどう伝えていいか分からず、もやもやが残ってしまうんですよね。

④載せる前に、ほんの少しだけ立ち止まる

SNSに載せないでください、と言うつもりはありません。家がきれいになっていく喜びを誰かと分かち合いたい気持ちは、とても自然なものだと思っています。

ですので、私がお客様にお伝えしているのは「投稿のタイミングと写す範囲を少し工夫しましょう」ということです。工事中の写真は完成してからまとめて載せる。シートの社名や番号札、表札、車のナンバーは写らない角度にするか、ぼかしを入れる。出かける予定は、帰ってきてから書く。位置情報の設定もいちど見ておいていただきたいです(スマートフォンの設定で、写真に場所の記録が残るようになっていることがあります)。

職人さんを写したいときは、ひと言「載せてもいいですか」と聞いてみてください。きちんとした業者さんなら、気持ちよく答えてくれるはずです。そういうやりとりができる関係かどうかも、ある意味では業者さんとの相性を知る手がかりになると思います。

業界のリアル・まとめ

工事中の写真には、住所や留守の時間、ほかの人の顔まで写り込んでいることがあります。完成してからまとめて載せる、写す範囲を絞る、職人さんには先にひと言聞く。それだけで、塗り替えの嬉しい思い出を安心して残していただけると思っています。

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