外階段や手すりのサビ、ケレンを省かれて一年で赤くなったお客様の話

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年10月9日
外壁塗装と一緒に、外階段や手すり、ベランダの柵などの鉄の部分を塗り替える方は多いと思います。ところが、塗ってから一年ほどでまたサビが出てきてしまったというご相談を、私はこれまで何度も受けてきました。その多くに共通していた「見えない下準備」について、今日はお伝えしたいんです。

塗ったばかりの階段に、赤い点がぽつぽつと

前職で、千葉県のあるお客様からお電話をいただいたことがあります。「外壁塗装をしてまだ一年なのに、外階段の手すりにもう赤い点が出てきたんです」。少し声が震えていました。

アパートを一棟お持ちの方で、二階へ上がる鉄骨の外階段と手すりも、外壁と一緒に塗り替えてもらったそうです。完成した日はつやつやで、入居者さんからも「きれいになりましたね」と声をかけられて、とてもうれしかったとおっしゃっていました。

それが一年後には、踏み板の角や手すりの継ぎ目から、赤茶色のサビがぽつぽつと浮いてきた。お話を伺いながら、胸のあたりが重くなったのを覚えています。こうしたご相談は、一度や二度ではなかったからです。

サビの上から塗っても、サビは止まらないんです

鉄の部分を塗る前には、「ケレン」と呼ばれる下準備があります。ワイヤーブラシやサンドペーパー、ときには電動の工具を使って、浮いたサビや古い塗膜を削り落とします。表面に細かい傷をつけて、塗料が食いつくようにする作業でもあります。

地味で、時間がかかって、粉も出ます。職人さんにとっても、楽な工程ではありません。

それでも、鉄部の持ちはこのケレンで大きく変わると私は思っています。サビが残ったまま上から塗ると、塗膜の下でサビがじわじわ広がり、やがて塗膜ごと押し上げてしまうんですよね。塗った直後はきれいに見えるので、完成の日には誰も気づけません。そこが厄介なところなんです。

千葉のお客様も、後から別の業者さんに見てもらったところ、古いサビの跡がそのまま塗り込められていたと分かったそうです。見積書を見せていただくと、鉄の部分については「鉄部塗装」の一行しかありませんでした。

見積書に「ケレン」の文字があるか、探してみてください

では、お客様の側で何ができるのか。私がいつもお伝えしているのは、見積書に「ケレン」という言葉が入っているか、まず探してみてくださいということです。

丁寧な業者さんほど、鉄の部分を「ケレン」「サビ止め」「仕上げ塗り」と分けて書いてくれる傾向がありました。ケレンにも段階があって(表面を軽く整える程度から、サビをしっかり落とすところまで)、お宅の状態ならどこまでやるのかを説明してくれる業者さんもいます。

書かれていなければ、遠慮なく聞いて大丈夫です。「階段のサビはどうやって落としますか」「サビ止めは塗りますか」。この二つを聞くだけで、返ってくる答えにずいぶん差が出ます。道具や手順の話がすぐに出てくる方もいれば、「大丈夫ですよ、きれいになりますから」で終わってしまう方もいる。どちらに任せたいかは、お客様ご自身が一番よく分かると思います。

工事中、ケレンが終わった段階で一度写真を撮っておいてもらうのも、ひとつの方法です。

鉄の部分は、手をかけたかどうかが一番早く表に出る

業界に身を置いて長くなりますが、外壁は多少手を抜かれても、すぐには分からないことがあります。でも鉄の部分は違います。一年、早ければ半年ほどで、サビという形で答えが出てしまうんです。

外階段、手すり、ベランダの柵、門扉、窓の上の小さな庇。見回してみると、お宅にも鉄の部分は意外と多いものです。

千葉のお客様は、その後やり直しの工事をされました。今度は工事中に何度も現場をのぞきに行ったそうで、「削る音が一日中していて、ああ、これが本当の下準備なんだと思いました」とおっしゃっていたのが、今でも忘れられません。

私がくらべるを始めた理由のひとつも、こうした目立たない工程を大事にする業者さんと、お客様をつなぎたかったからなんです。

業界のリアル・まとめ

鉄の階段や手すりの塗装は、仕上げの塗料より前に、サビをどこまで落とすかで持ちが変わります。見積書に「ケレン」の文字があるか、サビをどう落とすのかを、契約の前にひと言確かめてみてください。その小さな確認が、一年後の後悔を防いでくれると思っています。

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